黄桃缶詰
SINCE 2015
活動再開!2019年4月発表をめどに小特集「曖昧なる境界線」が決定!(1/28)
はる「ロジウラ」、misty「時間喰いのモービーディック」の原稿を掲載しました!(11/25)
しばしの間休載。(9/12)
イベント
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『桃缶』4号感想交換会
7月1日、2日の2日間
桃缶4号を参加者で読み合い、感想を交換する「感想交換会」を実施します。日にちを2017年7月1日(土)、2日(日)の2日間としますので、来られる日にskypeに集合してください。メンバーの顔合わせ、相互刺激になればと思います。
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哲学入門
アンチ・オイディプス
哲学入門 第一回 哲学書を読んでみよう
題材 ジル・ドゥルーズ&フェリックス・ガタリ『アンチ・オイディプス』の第一章「欲望する諸機械」 ※
※ 『アンチ・オイディプス』のテキストについては、河出書房新社から発刊されている文庫本の上巻のみで第一章を読むことができます。他の版でもOKです。
哲学者と精神分析家のタッグによって1972年に世に出された『アンチ・オイディプス』は、本国フランスのみならず日本や世界に多大な影響をもたらしました。そしてそれは現在でも変わることがありません。様々なアイデアが詰まっている『アンチ・オイディプス』の、特にエッセンスが凝縮された第一章を読み、咀嚼できる部分を咀嚼して帰って頂きたいと思います。
本書は非常に難解です。最初は分からない部分は飛ばして読み、分かる所だけ味わうように読んでみることをオススメします。本書は非常に文学的な要素も多く含まれており、そのような観点からも楽しく読めるテクストだと思います。
第一章を読む前でも読んだあとでもいいのですが、松岡正剛さんの『アンチ・オイディプス』についての明快なエッセイがあるので、これを参照文献にしておきます。読解の助けになると共に、松岡さんらしい読みを提示しているところでもあるので、自分の読んだ印象との比較にも役立つと思います。 松岡正剛の千夜千冊 1082夜 http://1000ya.isis.ne.jp/1082.html
2016年1月あたりに行う予定です!
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小読書会-終了
青空文庫から
「小読書会」
目的:話の筋だけでなく、文章に注目しながら読む。
方法:作品のすべてではなく、一部だけ切り取って読んでみる。筋にはこだわらず、そこに書かれている文章や、技法に目を向けながら話し合う。
時期:10月以降
作品:青空文庫など、手に取りやすい作品。
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読書会-終了
谷崎潤一郎「痴人の愛」
「読書会」
目的:楽しく読み、楽しく語る。
時期:10月
作品:谷崎潤一郎「痴人の愛」
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短編作品感想会-終了
桃缶メンバーの作品から
「短編作品感想会」
目的:
最近書いた作品を読んでもらったり、読んだことのない作品を読んだりして、お互いの刺激にする。
日時:
7月11日(土)20時~(終了しました)
内容:
黄桃缶詰のメンバーが書いた、10枚~15枚くらいの短編作品を、その場で読み、その場で感想や批評を言い合う。
方法:
スカイプに貼りつけるもよし。
ネットに公開してある作品なら、それを直に読んでもらってもよし。
イベント当日、一作品くらい他人に読んでもらいたいものを持ち寄ってほしい。
発言の際の注意点:
基本的に殺伐とした空気にはしたくないので、作品がおもしろくなくても、指摘の言い方にはそれぞれ気をつけて発言すること。人格攻撃・非難はぜったいだめ。純粋に、その人の作品を読んで、ここがよかった、これはもうちょっと工夫してほしかったなぁ、などと率直に楽しく言える会にしたいです。
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読書会-終了
古井由吉「杳子」
「読書会」
目的:書き手として、創作を意識した読書会をする。テクスト論の立場で、内容よりも文章そのものをとらえる。(比喩、文章構造、言葉選びなど)
時期:8月29日(土曜日)
課題作品:古井由吉「杳子」
提示したい読み方:
(候補作品となっていた堀江敏幸の「スタンス・ドット」についての文章です)
「スタンス・ドット」には、「音」と同時に「熱」という概念が頻発する。それはどの場面で登場して文章にどのような影響を与えているか、考えながら読むことができる。
また、この作品にはボウリング場のオーナーがボウリングのスコアを紙に記載するシーンがあるが、その描写がとても細かい。(「彼は7と書き入れて二投目を待ち、なんとか二本倒したのを見届けて2を右側の枠にくわえ、その下に15と記した。」など)もう少し簡素な表現もできるはずだが、なぜこのような表現になっているのか。
というような視点で作品を読んでいきたい。(みおみね)
用語説明など:
コノテーション……他に言い換えようがあるのにどうしてその言葉を選ぶ必要があるのかを考える。
例)苺色の服を着た女性(「赤色の服を着た女性」でもいいのになぜ苺色と言うのか)
テマティスム……反復的細部とも。物語の本筋とはあまり関係ないのに繰り返し出てくる小道具や比喩など、それがどうして繰り返し出現するのかを考える。
例)例が挙げづらいのですが、「スタンス・ドット」の場合は例えば「熱」や「音」の概念です。他にも探せば結構あると思います。
異化作用……ロシア・フォルマリズムとも言います。普通に書けばわかりやすいのにあえて長ったらしく描写することにより生まれる作用。それがどのような意味を持つのか考える。
例)ペットボトルのことを「水滴を身にまといぺらぺらと半分ばかりビニールの輪をはだけさせた半透明の筒」と表記するなど。
これらは小説の一部分を考察するときに用いる観点ですが、他にも「全体の構造」と「内容」の関連性を見出すみたいな読み方も面白いと思います。とにかく、自分が小説に活かせそうだなと思った部分は、細かな書き方でも構造でも色々なものを探し出してみて下さい。(みおみね)